(栃木県宇都宮市)

画像:移動検診バスステップカバーシート

・ご依頼内容

今回の案件は以前よりお取引いただいているお客様からのご依頼となります。移動式検診バスのステップにシートを敷きたいとのお電話をいただきました。

数年前1台だけ試験的に弊社にて製作、施工させていただいた実績があるので、ご担当者様に前回と同じ感じですか?と尋ねたところ、「ハイ」とのご回答でした。

とはいえ確かバスによって仕様が違うので、もしかするとステップの仕様にも違いがあるのではと考え、念のため現場調査をさせていただくことに。

画像:移動検診バスステップカバーシート

・現調とご提案

今回ご検討いただいているバスが6台あるとのことで採寸してみると、同じような仕様のバスにもかかわらず、すべてステップの仕様が違うということが判明。
現場確認にきておいて本当によかったーと感じました。

ご担当者様といろいろ話しているうちに、ここはこうしたい、こんなことはできないの?となり、最終的にはいろいろな方が登場し、同部署から5名の方によるディスカッションとなっておりました。

こうなると、なかなか仕様が定まらなくなるのは当然で、テント屋さんとしておすすめな仕様はどうですかということに。

自動車メーカーに依頼して作成していたものは素材がとても破れやすい。
寒いときに角がまだって反り返ってします。

素足で乗っかるので感触が固く心地が良くない。これらを改善できるようにしたいというとってもあいまいな表現であり、すべてを改善できるかわかりかねますが、弊社としてのご提案としてまず素材として、セルジオフェラーリ社スタムスキンをご覧いただきました。

スタムスキンは主にソファーや椅子に使用されることを前提に開発され防水性の優れ意匠的に高級感があり、厚みがあるので少しクッション性があります。

さらに濡れ布巾で拭くことで汚れを簡単にゆきとることができる素材ということで、全員一致で素材は決定しました。

強度については加工時スナップボタンを取り付ける部分は生地を2重にし樹脂製ワッシャを仕込むことで、生地の破れを極力減らせうことを説明させていただきました。

この方法は数年前に納品させていただいたステップカバーにも施してあるので、数年前に納品させていただいたステップカバーシートをその場で確認することに、数年たっていながら納品した時とほぼ同じ状態を保っているではありませんか。

加工方法について全員一致でOKとなりました。

生地端部の処理としてパイピング、ヘリテープ、返し縫いと3種類を提案させていただき、ヘリテープの仕様で見積もりを提示させていただくことに。

お見積提示後、早々にご発注頂きました。

画像:移動検診バスステップカバーシート

・制作から施工完了まで

取り付けるステップカバーシートを製作後、各バスへの取り付けとなりました。

ステップアルミ製の為、取り付けにはさほど困難なことは想定しておりません。

いざ取付作業を開始すると、スナップボタンを取り付ける下に溶接部鉄材が当たってしまう部分が数か所あることが判明、今回使用するビスは直径3.5mmとなりこれ以上大きなビスは仕様できません。

下穴をあけるドリルは2,8mm~3mm溶接部を貫通するのはとても困難、少しでも力を入れすぎればすぐにドリルの歯が折れてしまうという状況。

こうなったら職人の腕と勘だけでうまく施工するしか方法はありません。

3本ほどドリルの歯を折りましたが無事施工完了。

もともと予備のドリル歯を4本用意していましたが、あと一本で買い出しを余儀なくされるところでした。

仕上がりはご覧の通りで、健康診断バスは毎日どこかしらの現場に出向き、毎日ステップカバーは取り付け、取り外しを繰り返します。

今までの自動車メーカーオプション品より1日でも長くご使用いただけるよう祈るのみです。

どうもありがとうございました。
画像:移動検診バスステップカバーシート