栃木県宇都宮市
プロジェクト概要
この度、信頼いただいている建築会社様より、自動車ディーラー様の事務所外壁に電動式オーニングテントを新設したいとのご相談をいただきました。近年の猛暑による西日対策と、お客様の車両を雨から守るという二つの課題を同時に解決するという、非常に実用性の高いプロジェクトでした。
電動式オーニングテントは、ボタン一つで簡単に開閉できる利便性の高い日除け・雨除け設備です。従来の手動式と比べて操作が楽で、風雨の際にも室内から安全に操作できるため、特に商業施設では重宝されています。
技術的課題と解決策
現場調査での発見
当初、建物の詳細な図面がなく、鉄骨造であることのみが判明していた状況でした。実際の施工計画を立てるため、まず現場での詳細な調査を実施いたしました。
点検口から建物内部を確認したところ、断熱材がびっしりと設置されていることが判明しました。この発見により、当初検討していた建物の鉄骨材への直接溶接による取り付けは技術的に困難であると判断いたしました。断熱材の撤去は建物の性能を損なう恐れがあり、また既存構造への負荷も懸念されるためです。
最適な施工方法の選択と建築会社様との連携
上記の課題を解決するため、外壁面に新たな門型鉄骨フレームを設置し、そこにオーニングテントを取り付ける施工方法を採用いたしました。この方法により、既存建物への影響を最小限に抑えながら、確実で安全な設置が可能となります。
門型フレームは、オーニングテントの重量と風圧荷重を安全に支えるため、適切な基礎工事と構造計算に基づいて設計されています。また、外観デザインについても建物との調和を考慮し、ディーラー様のブランドイメージを損なわない仕上がりとなるよう配慮いたしました。
今回のプロジェクトでは、土木工事を得意とする建築会社様からのご依頼でしたので、門型フレームの設置工事については建築会社様にて施工していただきました。このような役割分担により、それぞれの専門性を活かした効率的な工事進行が可能となりました。事前の打ち合わせを重ね、設置位置の詳細な確認、フレームの寸法や仕様の調整、安全対策など、細部にわたって綿密な計画を立てました。建築会社様との連携により、工期の短縮と品質の向上を同時に実現することができました。
施工当日の作業
効率的なチームワーク
オーニングテントの設置工事は、熟練した作業員4名体制で実施いたしました。近年の厳しい暑さを考慮し、作業員の安全と体調管理を最優先に、午前中での完了を目標に作業を進めました。
事前の準備として、必要な工具や部材の確認、作業手順の最終チェック、安全対策の徹底を行いました。また、電動式オーニングテントの精密な部品の取り扱いには特に注意を払い、設置後の動作確認まで含めた総合的な施工を行いました。
品質へのこだわり
全員が一致団結して作業に取り組み、予定通り午前中に施工を完了することができました。暑さ対策として適切な休憩を取りながらも、集中力を維持して丁寧な作業を心がけました。電動モーターの配線、制御パネルの設置、動作テストまで、一つ一つの工程を確実にこなしていきました。
完成したオーニングテントの機能とお客様への配慮
二つの役割を担う実用性
完成したオーニングテントは、車両の雨除けと事務所の西日対策という一台二役を担う優れた設備となりました。お客様が来店された際には、大切な車両を雨や直射日光から守り、同時に事務所内の温度上昇を抑制することで、快適な執務環境の確保に貢献します。
電動式の利便性により、天候の変化に応じて迅速かつ安全に開閉操作ができ、従業員の方々の負担軽減にもつながります。また、夏季には冷房効率の向上により、省エネルギー効果も期待できます。
長期的な効果への期待
特に西日対策については、連日続く強い日差しから事務所を守ることで、室内温度の上昇を大幅に抑制できると考えております。これにより、お客様により快適な環境でのサービス提供が可能となり、従業員の方々の働きやすさも向上することでしょう。
営業への配慮と施工完了
今回の施工は、ディーラー様の休業日に実施させていただきました。営業に支障をきたすことなく工事を完了できるよう、スケジュール調整から施工完了まで、細心の注意を払って進めました。
残念ながら休業日の施工だったため、施主様に直接完成したオーニングテントをご覧いただき、お喜びの表情を拝見することはできませんでした。しかし、翌営業日からは毎日強く差し込む厳しい西日から解放され、より快適な事務所環境でお仕事をしていただけることと確信しております。
今後の展望
このようなオーニングテント設置工事は、昨今の気候変動による猛暑対策として、今後さらにニーズが高まることが予想されます。建物の既存構造を活かしながら、お客様のご要望に最適な解決策をご提案し続けてまいります。
今回も貴重な機会をいただき、誠にありがとうございました。お客様により良いサービスをご提供できるよう、今後も技術向上と品質管理に努めてまいります。