個人宅様(栃木県那須塩原市)

画像:屋上日よけ用セールシェード

・ご依頼内容

今回は、ここ数年一般家庭においても市民権を得ている、セールシェードのご案内となります。

ホームセンターなどにおいても、日差しが気になる季節になるとコーナー展開されて販売されている程、メジャーな製品となっている昨今。既製品では対応することのできない形状や、サイズでのご相談が多く寄せられるようになりました。

今回はそんな中からご紹介させていただきます。

今回の案件のご依頼内容は、3F建てのご自宅にて夏場、3Fリビングの温度が上昇してとても暑くなり、とてもいられない。原因は屋上にあたる太陽光によって熱されることなんだがシェードか何かで、屋上に日陰を作ることはできないもんでしょうか?でした。

画像:屋上日よけ用セールシェード

・現調とご提案

屋上の状況を把握するべく現調に伺いお客様といろいろお話をさせていただき施工方法や、セールシェードの製作方法についても説明させていただきました。

製作、据え付け工事の見積もりを提示し、ご発注いただきました。

今回の案件については、建物にビスを打ち込まないという事が1つのミッションとなりました。

地域的に冬場は強風にさらされる日が多く、セールシェードにとって大敵な風については、台風や冬場の強風時、セールシェードを撤去するという事で解決。

建物にビス止めしないでセールシェードをしっかりと固定し、お客様でも簡易に取付、取り外しができる仕様に仕上げる必要性があります。

特別仕様の金物製作(展開図)

・製作のポイント

そこで、今回特別仕様の金物を製作することに、まずは現場寸法に合わせて展開図を製作、弊社は3Dのソフトを使い、誰が見てもすぐ理解できるよう一般的なCAD図とは別に、3D図も製作しています。

3D図面を元に弊社鉄鋼部が金物を製作します。

セールシェード生地について、今回はストレートで製作することに、通常セールシェードを製作する場合、最低3%から8%程度えぐりと称されるくぼみをつけて製作します。

意匠、力学、張力を考慮するとえぐりは必要不可欠な加工であるからです。えぐりを入れるとその分日陰は小さくなりますが、日陰を作りたい場所に十分なサイズのセールシェードを製作すれば良いのです。

しかし、今回屋上全体をしっかりと日陰にしたいことが最大のミッションですので、えぐり0%のストレートで製作することに、ストレートでで製作すると、十分な張力を働かせるには、100%に力が必要になり、ビスを打てない現場にとって無理がありすぎました。そこでオリジナル金物がすべてを解決するのです。

画像:屋上日よけ用セールシェード

・施工の詳細

固定ポイントについてセールシェードとしては多めに設け、張力を働かせるに十分な力点を分散することで、各固定ポイントの力を分散。併せてお客様がご自身で取付、取り外しがしやすいようにしました。

シェード自体に浮力が発生しても、製作した金物が容易に外れることが無いよう、製作金物はしっかりとボルトで締め付けることが出来る様設計しています。

張上りは画像を見ていただいた通り、えぐりが無い分意匠的に劣るかもしれませんが、屋上日陰計画としては十二分に機能するようになりました。

今回の案件はとても知恵をひねり、製作することが出来とても楽しく取り組むことがが出来ました。

どうもありがとうございました。
画像:屋上日よけ用セールシェード